ネコでもわかる登録免許税法施行規則第12条第4項

どのサイトにも解説されてなかったので条文素読で読み解きました。そもそもなんでこの書類の添付を要するのか謎だったのですが,やっと意味がわかりました。
備忘録でまとめてみます(ノ)・ω・(ヾ)

組織変更による株式会社・合同会社の設立登記の登録免許税の額の計算方法

組織変更による株式会社の設立登記の事項について,課税標準は資本金の額,税率は1000分の1.5(0.15%)。ただし3万円に満たない場合は3万円になると規定されてます。
また,めったにないことですが,組織変更の際に株式以外に交付財産がある場合は「組織変更の直前の合同会社の資本金の額として財務省令で定めるもの」が設立する株式会社の資本金の額より少なくなりますので,この差額部分につきましては1000分の7(0.7%)となります。通常は資本金の額と「組織変更の直前の合同会社の資本金の額として財務省令で定めるもの」は同じ金額となります。

つまり,株式以外の交付財産がないとすれば,資本金の額が2000万円以上の場合は資本金の額×0.15%が組織変更による株式会社・合同会社の設立登記の登録免許税額で,2000万円未満の場合は3万円となりますので,たいていの中小企業であれば3万円になります。

資本金の額とはいつのどの金額か

これは「組織変更により設立する株式会社の資本金の額」となりますので,組織変更直前の合同会社の資本金の額を記載すればいいと思います。ちなみに組織変更と増資は同時にはできません
この金額には「登録免許税法第12条第2項ロ」で計算した割合を乗じる必要がありますが,交付財産がなければ割合は1となるので計算する必要はありません。

問題は組織変更の際に合同会社の社員に株式以外の財産を交付する場合です。次の価額が0円を超えるため,上記の割合が1未満となるからです。

登録免許税法施行規則第12条第2項ロ(2)

組織変更後の株式会社又は合同会社が当該組織変更に際して当該組織変更の直前の会社の株主又は社員に対して交付する財産(当該組織変更後の株式会社の株式及び合同会社の持分を除く。)の価額

例えば合同会社を株式会社に組織変更した場合,登記上は合同会社を解散し,株式会社を設立するという形を取ります。この時に組織変更後の株式会社は合同会社の社員に対して株式を交付するわけですが,これ以外にも財産を交付する場合には,「組織変更の直前の合同会社の資本金の額として財務省令で定めるもの」は次の計算式で算出します。

資本金の額×{(純資産の額-直前に株主又は社員に交付する財産)/純資産の額}

ちなみに,上記の式の「純資産の額」が資本金の額より少ない場合は資本金の額に置き換えて計算します(登録免許税法施行規則第12条2項ロ(1)かっこ書き)。

株式以外の交付財産があった場合の上記の額は,直前の資本金の額(=組織変更により設立する株式会社の資本金の額)より少なくなるので,その差額分については登録免許税の税率が1000分の1.5ではなく,1000分の7(0.7%)となります。

本題の登録免許税法施行規則第12条4項の規定の意味

この規定では組織変更直前の「資産の額」と「負債の額」,そして「組織変更に際して交付する株式以外の財産の額」を記載した書面を添付することになっています。

この規定の趣旨は株式以外の交付財産があるかどうかを判定することと,株式以外の交付財産がある場合において「組織変更の直前の合同会社の資本金の額として財務省令で定めるもの」の額を計算して,登録免許税の額に間違いがないか登記官が把握することにあります。

登記官は組織変更前の合同会社の資本金の額しかわかりませんが,組織変更で交付財産があったかどうかは他の書類からは判断しようがないので,「登録免許税法施行規則第12条第4項の規定に関する証明書」を添付する必要がある,という訳ですね(・ω・)ノ

「登録免許税法施行規則第12条第4項の規定に関する証明書」の記載例

記載例も載せておきます。通常は株式以外の交付財産なんて交付しないので,交付財産は0円,資産の額と負債の額は会計ソフトの貸借対照表の月次集計を見て記載する感じでOKだと思います。ここでは資産の額は1000万円,負債の額は800万円とします。

神聖な申請書(オヤジギャグか!)なので責任は負えませんし司法書士さんがどう処理されているかも知りませんが,おそらく交付財産がなければ資産の額と負債の額に多少の誤差はあっても登録免許税の額に違いはないので問題はないだろうと思います。

登録免許税法施行規則第12条第4項の規定に関する証明書

登録免許税法施行規則第12条第4項に掲げる額は,次の通りである。

1 組織変更をする会社の当該組織変更の直前における資産の額(登録免許税法施行規則第12条第4項第1号)
金10,000,000円

2 組織変更をする会社の当該組織変更の直前における負債の額(登録免許税法施行規則第12条第4項第1号)
金8,000,000円

3 組織変更後の株式会社が当該組織変更に際して当該組織変更の直前の会社の社員に対して交付する財産(当該組織変更後の株式会社の株式を除く。)の価額(登録免許税法施行規則第12条第4項第2号)
金0円

上記の額に相違ないことを証明する。

平成●●年●月●●日

東京都中央区日本橋●丁目●番●号
株式会社●●
代表取締役 ●● ●● 印

印鑑は組織変更により設立する株式会社の代表者印(登記所に提出する印鑑届書に押印した印鑑)を押印します。

間違えて解説しているところがありましたらコメントか連絡を頂けると嬉しいです。それにしてもネコでもわかるレベルではなかったですね。書いてる自分でも混乱してきた(ノ)・ω・(ヾ)

2 Responses to “ネコでもわかる登録免許税法施行規則第12条第4項”

  1. 梅山 より:

    助かりました。

    合同会社から株式にする過程で悩んだので見ました。

  2. 秋山 より:

    すばらしい解説で大変助かりました。

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